目次
はじめに
筋トレといえば「高重量でガンガン攻める」というイメージが強いかもしれません。しかし、実際には低負荷高回数トレーニングも、筋肉を成長させるための重要な刺激のひとつです。
特に、関節の負担を減らしつつしっかり筋肥大を狙いたい人や、「今日は高重量を扱うのが厳しい」というコンディションの日にうまく活用できる方法でもあります。
今回は、低負荷高回数トレーニングのメリット、正しい取り入れ方、注意点について解説していきます。
低負荷高回数トレーニングとは?
低負荷高回数トレーニングとは、一般的な10RM(10回で限界を迎える重量)より軽い負荷を使い、15~30回程度の高回数をこなして筋肉に刺激を与えるトレーニングスタイルです。
ただし、軽い重量をダラダラと扱うのではなく、限界までしっかり追い込むことが大前提です。楽にこなせる運動ではトレーニングの意味がありません。
低負荷でも筋肥大は可能!化学的刺激を活かす
筋肥大に必要な2つの刺激とは?
筋肉を成長させるためには、主に以下の2つの刺激が重要だと考えられています。
- 機械的刺激:高重量を使って筋肉に強い張力をかける刺激
- 化学的刺激:筋肉内に代謝ストレス(乳酸の蓄積など)を引き起こす刺激
一般的に「筋トレは重い重量を持ち上げないと効果がない」と思われがちですが、実は化学的刺激もうまく活用することで、軽めの重量でも筋肥大を狙うことが可能です。
低負荷高回数で得られる化学的刺激
低負荷高回数トレーニングでは、比較的軽い重量を高回数反復することで筋肉をパンパンに追い込みます。この過程で以下のような現象が起こります。
- 筋肉内に乳酸がたまり、強い「燃えるような感覚」が発生する
- 筋肉内のpHが下がる(酸性環境になる)
- 様々なホルモンの分泌が促進される
こうした代謝ストレスが筋肉にとっての「成長しなければ!」というシグナルになり、筋肥大が進むと考えられています。
追い込みがカギ!重量よりも「刺激」を意識しよう
要するに、重い重量に限らず、筋肉をしっかり追い込めば十分に成長できるということです。
軽めの負荷でも「あと1回、もう無理!」というところまで丁寧に追い込むことが大切。これにより、化学的刺激を最大限活かすことができます。
ボリュームを意識することが鍵
低負荷高回数トレーニングの効果を引き出すうえで重要なのが総負荷量(ボリューム)です。
ボリューム = 重量 × 回数 × セット数
つまり、重量が軽い分、回数やセット数を増やしてボリュームを確保することがポイントになります。
たとえば、いつもより軽めの重量でも「今日はセット数を増やして総負荷を上回る!」という意識で臨めば、しっかり成長を促すことができます。
関連記事:効率的に効果を出す!筋トレの負荷設定とボリューム管理
体調や関節の不調があっても継続できる
「今日は体が重い」「関節が少し痛む」
そんな日は無理に高重量を扱うと怪我のリスクが高まります。
そのようなときこそ、低負荷高回数を選択肢にするのがおすすめです。軽い負荷なら関節や腱への負担を減らしつつ、ボリュームを稼ぐことでしっかりトレーニングを継続できます。
その時のコンディションに応じてできる範囲で更新を目指すという考え方が、長期的な成長につながります。
怪我のリスクを減らし、安全に続けられる
高重量トレーニングは筋力アップには有効ですが、同時に関節や靭帯、腱への負担も増します。
一方、低負荷高回数なら関節へのストレスが軽減されるため、怪我のリスクを大幅に下げることができます。
怪我をせず、長く続けるという視点でも、低負荷高回数トレーニングは非常に価値があります。
重量に囚われず、フォームを重視できる
「もっと重い重量を扱いたい」という意識はモチベーションにもなりますが、無理に重さを追うとフォームが崩れやすくなります。
フォームが乱れると、本来狙いたい筋肉への刺激が弱まり、トレーニング効率も落ちてしまうことにつながってしまいます。
そこで時々、低負荷高回数トレーニングを行うことで適切なフォームを意識しながらしっかり追い込むことが可能です。
特に初心者やフォーム矯正を意識している人にもおすすめできる方法です。
低負荷高回数だけに頼らない!バランスが重要
低負荷高回数トレーニングは素晴らしい選択肢ですが、これだけで筋肥大を完結させるのはベストとは言えません。
筋肉は、機械的刺激(高重量)と化学的刺激(代謝ストレス)の両方を受けることで最大限に発達します。
したがって、
- 高重量で少回数の日(機械的刺激メイン)
- 低負荷で高回数の日(化学的刺激メイン)
と、刺激を変えながらトレーニングプランを組み立てるのがおすすめです。
コンディションに合わせて柔軟に使い分けることで、無理なく、効率よく成長を続けることができます。
まとめ
低負荷高回数トレーニングは、
✅ 化学的刺激を活かして筋肥大が可能
✅ ボリュームを稼ぎやすい
✅ 体調や関節の不調があっても続けられる
✅ 怪我のリスクを抑えられる
✅ 正しいフォームを意識できる
といったメリットがあります。
ただし、これだけに偏るのではなく、高重量トレーニングとうまく組み合わせることが重要です。
「今日は高重量が厳しいな」と感じたら、低負荷高回数でボリューム更新を狙う。
「調子が良い!」という日は高重量をしっかり攻める。
このように体の声を聞きながら刺激を使い分け、賢く成長を目指していきましょう!