炭水化物は筋トレの燃料だ!

食事

糖質=悪という誤解

炭水化物というと、「太る」「ダイエットの敵」といったネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。でもそれ、本当に正しいのでしょうか?

ダイエットで混同される落とし穴

糖質制限ダイエットの流行によって、「痩せるには炭水化物を減らすべき」と思い込む人が増えました。でも、筋トレにおいては話が別なのです。筋肉を動かすエネルギー源として必要不可欠なのが炭水化物。減らしすぎることで、逆に筋肉が落ちたり、代謝が下がって太りやすくなるリスクもあるのです。

炭水化物が敬遠されがちな理由

炭水化物が“太る”と誤解されがちなのは、いくつかの理由があります。
まず、炭水化物は水分と結びついて体内に蓄えられるため、摂取量が増えると一時的に体重が増えやすいこと。これが「炭水化物=太る」と感じるきっかけになります。

高GI食品は太りやすい?

さらに、白米やパン、ラーメンなど高GI(血糖値を急上昇させやすい)な食品を過剰に摂取した場合、血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。インスリンは余ったエネルギーを脂肪として蓄える働きがあるため、「糖質=脂肪がつきやすい」というイメージに繋がってしまうのです。

高GI食品は筋トレの味方!

でも、実はこの性質をうまく使えば、脂肪を増やさず筋肉を増やす方法に使えると知ったらどう思いますか?こんな大きなメリットがある炭水化物について解説します!


炭水化物が筋トレに必要な理由

トレーニングのエネルギー源になる

筋トレ中に使われる主なエネルギー源は、実は炭水化物。炭水化物が分解された糖分が筋肉や肝臓に「グリコーゲン」として蓄えられており、これがエネルギーとして使われます。これが足りないと、力が出なかったり集中力が落ちたりして、トレーニング効率が下がってしまいます。

筋肉の分解を防ぐ役割もある

炭水化物が不足していると、体はエネルギーを確保するために筋肉を分解しようとします。生存のためにエネルギーを消費する不要な筋肉を分解するのは理にかなってみえます。
ですが、せっかく鍛えているのに、そんなことはしたくないですよね?筋肉を守るためにも、炭水化物は欠かせないのです。


摂取タイミングと量がカギ!

トレ前:パワーを出すために

トレーニングの1~2時間前に炭水化物を摂ると、エネルギー切れを防ぎつつしっかり追い込めます。集中力も持続するので、ケガのリスクも下げられます。

トレ後:筋肉の回復を助けるために

トレーニング直後は、筋肉が栄養を吸収しやすい「ゴールデンタイム」。このときに炭水化物を摂ることで、グリコーゲンの回復が早まり、筋肉の分解も防げます。

トレ後はたくさん炭水化物を食べても脂肪が増えない?

筋トレ直後は、体がエネルギーを強く求めている状態です。特にこのタイミングは「インスリン感受性」が高まっていることが重要なポイントです。

インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、血中の糖を筋肉や脂肪に取り込む働きがあります。通常、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられやすいのですが、トレーニング直後は筋肉がエネルギーを欲している状態なので、インスリンの働きによって糖が優先的に筋肉へ取り込まれます。

つまり、このタイミングで炭水化物を摂れば、それは筋肉の回復やグリコーゲン(筋肉のエネルギー貯蔵庫)として再利用されやすく、脂肪として蓄積されにくいのです。

だからこそ、筋トレ後は炭水化物をしっかり摂るチャンス!エネルギー補給にもなり、筋肉の分解を防ぎ、回復を早める効果も期待できます。

ただし、もちろん「無限に食べてもいい」というわけではなく、トレーニングで消費した分+回復に必要な量にとどめるのが基本です。

油や脂肪と一緒に摂ると太りやすい

油と炭水化物の組み合わせは太りやすい

ただし、ドーナツや菓子パンのような高脂質×高糖質の食べ物は太りやすいのでNGです。糖質と脂肪は体内で体脂肪として結合しやすいのです。


炭水化物の量はどれくらいが目安?

体重×○gという考え方

ざっくりとした目安としては、筋トレをしている人なら体重×3~6g程度が推奨されています。体重60kgの人なら、180g〜360gくらいが目安になります。

トレーニング強度による調整

筋トレの頻度や強度が高い人は、より多めに。逆に軽めの運動しかしない日は、少し抑え目でもOK。日によって柔軟に調整しましょう。


どんな炭水化物を選ぶべきか?

「質」が大切:複合炭水化物を中心に

白米 vs 玄米、全粒粉などの違い

精製された白米(高GI食品)やパンよりも、玄米や全粒粉(低GI食品)のほうが血糖値の上昇が緩やか。腹持ちもよく、栄養価も高めです。
血糖値が急上昇すると体はインスリンを大量に分泌させ、血糖値を下げようとします。すると糖分は脂肪として細胞に取り込まれやすくなります。普段食べる食材としては血糖値が緩やかな低GI食品が好ましいです。
ちなみに、トレーニング後は白米のような高GI食品の方が筋肉に素早く吸収されるのでオススメです!

食物繊維や栄養価の観点から

低GI食品には食物繊維が含まれることが多いです。食物繊維は腸内環境の改善にもつながりますし、ビタミンやミネラルも含まれているため、全体の栄養バランスも整いやすくなります。


手軽に摂れるオススメの炭水化物の例

おにぎり、バナナ、オートミール

これらは手軽にエネルギー補給できる炭水化物。特にバナナはトレ前・トレ後どちらにも向いています。

和菓子

意外かもしれませんが、脂質が少なく糖質メインの和菓子は、トレーニング前後の補給にぴったり。羊羹やおはぎなどがオススメです。


まとめ

・炭水化物=敵じゃない。むしろ味方
・筋トレとセットで摂れば太りにくい
・賢く摂って、トレーニングのパフォーマンスを最大化しよう

誤解されがちな炭水化物ですが、トレーニングをしている人が適切な量を摂取することは大きなメリットがあります。しっかりと食べてトレーニングの成果を挙げていきましょう!

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